
緩やかな坂道を上がっていくと古い城さいがあり、今はレストランになっている建物の上に上がると城壁から町全体が眺められる。ポルトガルは、なぜか、どの街も何かうら悲しいような雰囲気があり、ひっそりと静かな佇まいを見せているところが多い。かつて、海洋国家として世界に羽ばたいていた時代もあったが、その当時の跡を今に伝えているものがある。
町全体が一つの道に繋がっていて、ゆっくり歩いても30分ほどの小さな町だ。冬の陽だまりの中に立っていると、午後の日差しをうけて輝く壁の白さと、オレンジやブルーに縁取られた家がとても美しい。
2005年制作 73×52cm
ファブリアーノ水彩紙 鉛筆 透明水彩