スペインのロンダに滞在中、アルコス・デ・ラ・フロンテーラ(Arcos de la Frontera) へ、一日かけてスケッチに出掛ける。ロンダ
の街からバスで一時間ほどで、遠くから見上げるような丘の上に立
つ町並みが見えてくる。
旅行社のはからいで、パラドール・デ・ラ・フロンテーラParador
Arcosde la Fronteraのテラスから、絶景の眺めを描かせて貰
えることになった。
テラスから崖下を見下ろす景色は最高なのだが、生憎の強風で
画材を置いて落ち着いて描くこともままならない。
ここでの時間をあきらめて、街中の路地を歩いてみることにする。
結果として、これが自分にとっては正解で、落ち着いて対象に向
かい合えることができた。
海外で時間に縛られて絵を描くとき、何かここでものにしなければ
と思い込んでしまうと碌なことはない。その場の環境や天候に合わ
せて、目の前にあるものを受け入れ、どんなものでも選ばずに向
き合ってみる方が、予想外に印象深い時間がすごせるように思う。
26.Apr.2012-08.Aug.2012 ダーマートグラフ P6
透明水彩 画用紙