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2008年11月20日木曜日

水辺の出入り口をもつ建物



サンテ・ジョバンニ・エ・パウロ教会に通じるあたりに、サン・ジョヴァンニ・ラテラーノ運河と、もう一つの運河が合流する箇所がある。そこに架かっている橋の辺りで、ちょうど、なにやら撮影が始まるようで、カメラを持ったスタッフが忙しそうに動き回っている。近くには煌びやかな衣装をまとった女優らしき人も待機していて、本番までの準備が進んでいる。
スタッフの中で、とりあえず急ぎの仕事が無いのか暇そうにしている若者が声をかけてきた。聞けば、撮影現場のデザイン画(?)を描く人のようで、撮影に使う現場の見取り図と配置図のようなものを見せてくれた。イタリア人ではなく、インドかパキスタンの辺りの人のようだ。
私が水辺の風景を描いているのを先刻から眺めていて、しきりに感心して、「貴方はマエストロか」と尋ねてきたので、「そうではないが、絵を描きながら旅している」と返事を返すと、握手を求めてきたので、私も手を伸ばしてかたい握手。
絵が好きな人は、どこにでもいるものだ。彼の描いたスチール画は、なかなかの出来栄えだった。


2008.10.08.  F6  
 マーメイド水彩紙  
 ペン  透明水彩