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2008年11月22日土曜日

サン・ジャコモ教会


ヴェネツィアでの3日目は、朝から霧がかかっていて辺りの様子がはっきり見えないほどだった。サン・マルコ広場に近い乗り場からヴァポレットに乗り、一路リアルト橋をめざした。着いてみるとリアルト橋の半分ほどが霞んでいるような状態で、霧は一向に晴れる気配がないようだ。
「ワインの岸辺」と呼ばれている運河沿いの道をいくと、それぞれの店先でテーブルや椅子の準備をしたり、岸付けされた船から品物を運び入れる人の姿が活気を帯びてみえた。岸辺から北に抜ける小さな路地を巡ってみると、通路にせり出した隊商宿の建物などが続き、その昔アフリカやイスラームの世界から交易で訪れていた人たちの名残をとどめている一角をみた。
リアルト市場は、当時ヴェネツィアの中心にあって、経済活動をいってに担っていた一大拠点として、ヨーロッパにも影響を及ぼすほどであったという。サン・ジャコモ教会の建物や時計などにもそれが偲ばれる。回廊が市場を取り囲むように造られていて、手形交換所や両替所(現在の銀行)などの事務所がその中に立ち並び、大層な繁栄をもたらしていたようだ。
そんな歴史を今に伝える広場で描いてみた、その日の一枚目だ。

2008.10.09.  F8   
オリオン・ソフトウーブ水彩紙
   ペン  透明水彩