ハルシュタットの湖畔に並ぶボートハウス。夏の賑わいを終えて、ひっそりと静まり返っている。広場に続く道の上にも、その傍らの木々の上にも、そしてボートハウスの屋根にも今年一番の雪が降り積もり、クリスマスイブの夜を迎える準備は整った。2007.12.19. SM ペン 透明水彩
スケッチ旅行の三日目。イタリアのボマルツォから車で30分程のところにヴィットルキアーノという村がある。岩山の上に石積みの家が立ち並び、中世の山岳都市として開かれた所のようだ。村の入り口に石造りの門があり、それをくぐると、中世そのままの佇まいで狭い道を挟むように家々が立ち並んでいる。道は村の中を一周してまた元の門のある広場に出るようになっている。しばしスケッチをしていると、村の作り酒屋(地元で取れる葡萄からワインを作っているらしい)のご主人と奥さんらしき二人に出会い挨拶を交わす。しばらくして、先ほどの女性がワインのボトルを手に持って現れて、私に、くださると話しかけてきた。片言のイタリア語で礼を言って頂くと、「どこから来たのだ」と言うので、日本からスケッチに来たと話す。思いがけない贈り物に人情の厚さを感じてしまった。ワイン蔵と思われる場所のロゴだけは写してきたが、肝心の住所と名前を聞き忘れてしまった。機会があれば、お礼の手紙など出そうと思う。とても古くからの村のようで、玄関に繋がる石段の角が擦り切れているのを発見して驚いた。年月の長さとそこで営まれた人々の暮らしぶりが伺われるように思う。とても静かな路地だった。
イタリアのローマから北に車で2時間ほど走った所にボマルツォという小さな村がある。日本からの観光ツアーでは全くといっていいほど立ち寄らない土地だ。中世の城塞都市(山岳都市)の一つでこの辺りには、そうした村がいくつか散在しているようだ。ローマの空港についてチャーターしたバスに乗り、走ること2時間。夜遅くに、ボマルツォに着いた。辺りは真っ暗でどこに家並みがあるのか定かではない。農場が経営するホテルの主人が軽トラックで我々一行を村の広場まで迎えに出てくれていた。宿のホテル(日本で言うコテージ風の建物)につくとライトアップされた村の建物群が暗闇にポッカリと浮き出ているように見えた。2日目は朝から一日ボマルツォの村を描く。添乗員が交渉してくれて、地元の旧家の庭先からボマルツォの村が一望できる場所でスケッチすることができた。断崖絶壁の上から眼下に町並みが望める最高のポイント。柵も何もない場所で足を滑らせたら一巻の終わり。添乗員が代表で責任を問わない誓約書を書かされた理由が分かる。そこでスケッチした内の一枚、屋根の色だけはつけて帰国してから仕上げた。
オーストリアのザルツブルグからシャーフベルグ山をめざしてバスに乗る。ツアー旅行の8日目。蒸気機関車の登山列車に乗車して急勾配の山道を上ること数十分、頂上に着く。1783メートルの高さからはるかアルプスの山並みが見える。頂上近くにある山小屋らしき建物を描く。山道を上がってきたハイカーも急いで描き加えると、私の描いた絵を覗き込んで、「これは、わたしたちか?」と尋ねるので、
展覧会の出品用として描き起こした12号の絵です。スキャナーでは取り込めないので、デジカメで撮影してからフォトショップで明るさ色調など調整してあります。実際は、もう少し明るい黄緑色のトーンになっています。写真の場合も同じことが言えそうですが、絵の場合も原画とディスプレー画面上での色彩に違いがあります。特に太陽光の環境でデジカメ撮影した絵は、水彩紙の白地がセプアがかってしまい、その調整がなかなかうまくいきません。私の場合は、朝の早い時間帯にガラス越しの太陽光で作品を撮影しています。照明も使ってみたのですが、自然な色彩で撮るには、自然光が一番いいかと思います。白地をくっきりと白くして色彩はなるべく原画に近いものを再現する方法が、今の私には分かりません。どなたかフォトショップの使い方などご存知の方がいらしたら、教えてくださると幸いです。
家の近くで畑( 4×16mほどの広さがあります)を借りています。今年で二年目になるのですが、この季節は夏野菜の旬。このあいだまでは、モロッコインゲンがたくさん採れて、知り合いの方にもお裾分け。キュウリの一番手は、そろそろ終わりで、二番手もあまり実を付けなくなりました。ピーマンは四株育てていますが、つやのある緑の色が鮮やかで、食欲をそそります。