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2008年12月24日水曜日

マルチェヅィーネの街並み


マルチェヅィーネは、港から城跡に向けて坂になっている。
港の辺りを暫らく散策してから、坂道を登っていくと自然に城跡にでる。石畳の道を歩いていくと急に視界が開けて、城門のあたりに行き着く。今では、博物館や小さな美術館になっている施設の入り口がそこにある。入場券を買って、いちばん上まで上りきると、城砦の石垣の下に広々と
したガルダ湖が広がって見える。幾艘かのヨットが滑るように湖面を過ぎていく。
避暑地として人気を集めている理由が分かるような気がする。南仏や南イタリアまでは遠すぎて足を伸ばせない旅行客にとっては、格好の場所になっているのかもしれない。三々五々、坂道を登っていく人たちの風景を描いてみた。


008.10.12.  P6 ダーマトグラフ   透明水彩

リーヴァの橋


リーヴァの湖畔にある美術館前の橋の風景。
橋の上では、先ほどから若者たちが何やら話しているようで、賑やかな声がここまで聞こえてくる。通りにある植え込みの柵の前からスケッチして、その場で色もつけて仕上げた。右手は、小さな公園のような広場になっていて、背の高い樹が鬱蒼と茂っているのが印象的であった。長い枝先が垂れ下がるように落ちてきて橋に届くかのような勢いに見える。
午後の日差しを受けて逆光の中に見える橋と手前の水とがコントラストになっていて描きたくなった場所のひとつだ。
朝と昼、夕方近くとで光の様子に応じて色合いが変化する。水辺のある風景は、いつ見ても惹きつけられるものがあるようだ。


2008.10.11.  F4  
 ダーマトグラフ  
   透明水彩

2008年12月19日金曜日

リーヴァのレストラン


イタリアで最大の湖・ガルダ湖の北端にある町リーヴァで3連泊する。
湖畔のホテルの南側の窓からは、湖を見通すことができるが、あまりの大きさでその全容はわからない。北側にはリーヴァの家並みと遠くに山並みが見えている。テラスからは、西側の山がまじかに迫っている様子がよく見えるが、あまりにも急勾配の斜面に圧倒されてしまう。湖岸との高低差がたとえようもなすさま゛じくあるのだから。
翌朝、早速、近くを歩いてみた。すぐ前に古城風の建物があり、現在は美術館に使われているようだ。その建物を取り囲むように堀が廻っていて水鳥の姿などもみかけた。このあたりは、北ヨーロッパ、特にドイツあたりからの避暑客が近年よくやってくるようである。
船着き場の近くにあるレストランに入って休憩した時に描いてみた。ちょうど、真向かいに旅行客らしい人たちが座って、食事をとっている。ここは、湖岸の通りから一つ中に入ったところで、人通りもなくて落ち着いた場所になっている。
アーチのついた石壁の上のあたりには、小さな連続アーチの飾りがあって、何かとても雰囲気の良い感じに見える。食事と会話を楽しむ人たちの頭上からは午後の日差しがさしていて、気持のよい時間が流れていた。

2008.10.11.  F6  ワットマン水彩紙  ペン  透明水彩


2008年12月12日金曜日

マルチェヅィーネの港Ⅱ


マルチェヅィーネの町では、4時間ほど過ごすことになったが、その間に町中を歩きながら、気に入ったところでスケッチをしてみた。小さな港の周辺がこの町の観光スポットのようで、大勢の人たちで賑わっている。
港から路地を北の方角へ少し歩くと、急な坂道が続いている。アーチの下を潜るように上にのぼっていって、振り返ってみるとアーチの奥に、ガルダ湖の湖面がわずかに見えるところがあった。急坂の石塀の中からは鮮やかな木々の枝葉が道の上を覆うようにのびている。その辺りで、べつに2枚スケッチを仕上げた。
それから、その急坂をさらに上がっていくと、崖の上に古びた城跡があって、現在は、美術館として利用されているようである。その古城の石垣からはガルダ湖に浮かぶヨットも見渡すことができた。
3時の船で戻るつもりでいたが、どうやらその船は急行のグレードだったようで、差額を払って乗ろうとした時には、早や船は出ていた。しかたがないので、港着き場から見える風景をもう一枚描くことにした。その時描いたのが、上の絵だ。おかげで、思い出に残る絵がもう一枚増えた。失敗も悪くはないものだと、その時改めて実感することができた。


2008.10.12.  F6
マーメイド水彩紙
 ペン透明水彩

2008年12月8日月曜日

マルチェヅィーネの港


イタリアでもっとも広い湖・ガルダ湖の一番北にある町リーヴァでは、3連泊してスケッチを楽しんだ。リーヴァは、それほど大きな町ではなく、一日かけて回ってみて充分な感じがしたので、翌日は、近くの港から遊覧船に乗り、湖畔の別の町を探検することにした。
ガルダ湖の北岸にあるガルドーネの町を目指すことにして、9時にはリーヴァを出発した。船外デッキでは風が強すぎて寒いので、中に移動したが、その日一番の船であったのか、殆ど乗客の姿がない。船はかなりのスピードで走るのだが、目的地のガルドーネには、なかなか着かない。
少し心配になって、置いてあった時刻表をみると、船で2時間ほどの距離にあることがわかった。このまま行けば、11時近くに着く予定だ。そこで、2時間ほど過ごしたとして、帰り道も2時間もかかるわけで、果たして夕飯の時間に間に合うかどうか。
時刻表を良く見てみると、ガルドーネからの帰りの船は、午後3時過ぎでないと無いことが分かり、急遽、次の停船地である、マルチェヅィーネで降りることにした。この町からは、1時間に2便ほど船が出ているので、遅れることもないはずである。あぶないところで、ガルドーネまで行きそうになってしまったが、こういうハプニングは、一人旅にはつき物で、それもまた旅をする楽しみである。

偶然にも訪れることになったマルチェヅィーネの町。ところが、思いがけず、素敵な所で、スケッチする場所がいたるところにあった。2時間のつもりが、その倍近くも居ることになった。隅々まで歩いても30分もあれば行けるような小さな町だったが、今回の旅でも特に思い出に残る場所の一つになった。

朝から日差しが強くて日に焼けるほどだったのを思い出す。船着場の近くにあるカフェでワインを飲みながら、船のある港の風景を眺めてスケッチした。その場で、色もつけて7割ほど仕上げてきた。

2008.10.12. F6  
マーメイド水彩紙  
ペン  透明水彩

赤い飾り窓のあるホテル


イタリア旅行6日目。ヴェネツィアで4泊してから、次の宿泊地リーヴァへ移動する途中で、ヴェローナの町に立ち寄った。
いつものように、グループから一人離れて、裏通りをあるいていると、思いがけず絵に描きたいと思う所に遭遇する。この時も偶然に見つけたという感じだ。そこは、ヴェローナのメインストリート
から、一つ裏道に入ったところで、ふと、行く手を見ると、赤い飾り窓が目に入ってきた。その色に引き寄せられるように路地にはいっていくと、小さなホテルの前に出た。
玄関のあたりで接客していたのがこのホテルのオーナーのようで、スケッチしている私のそばに来て、何やら話しかけてくる。片言のイタリア語で話してから、オーナーが中に入ったので、スケッチに集中して一気に下書きをかきあげた。
午後の日差しが斜め上から射していて、上り坂の建物を明るく照らしている。その色と飾り窓の色とが呼応しているようで、何か楽しい気分になってきた。
今回のイタリア旅行では、特に色彩自分の興味が引きつけられるようで、どの場所でも、鮮やかな色のコントラストばかりが目に飛び込んでくるような気がした。それが、いつものスケッチ旅行とは何か違っていたところだが、この場所で描いていた時も、その事を考えていた。

2008.10.10.  F6
ワットマン水彩紙
ペン 透明水彩